EU化粧品規則を読む|1223/2009が定める表示と禁止物質

EU化粧品規則を読む
1223/2009が定める表示と禁止物質

EUで販売される化粧品は、2009年11月30日に採択された規則(EC) No 1223/2009、いわゆるEU化粧品規則に従います。1976年から続いた化粧品指令に代わるもので、2013年7月11日から全面的に適用されています。加盟国ごとの国内法を介さず、EU全域に直接適用される点が特徴です。

市場に出す前の「責任者」と「安全性報告書」

同規則のもとでは、EU域内に「責任者(responsible person)」として指定された法人または個人がいる製品だけが市場に出せます。責任者は、製品ごとに安全性報告書を含む製品情報ファイルを備え、欧州委員会の化粧品届出ポータル(CPNP)に届け出ます。欧州委員会は、CPNPへの届出は一度で足り、EU全域をカバーする仕組みだと説明しています。

附属書で決まる「使えない成分」と「条件つきの成分」

成分の扱いは附属書(Annex)で整理されています。附属書IIは使用禁止物質、附属書IIIは濃度や用途に条件がつく制限物質、附属書IV・V・VIはそれぞれ使用が認められた着色剤・防腐剤・紫外線吸収剤のリストです。EU官報に掲載された2009年の制定時の条文では、附属書IIの参照番号は1,328番まで振られており、その後も改正のたびに項目が加えられています。また第15条により、発がん性・変異原性・生殖毒性(CMR)に分類された物質は、厳しい条件を満たす例外を除いて使用が禁止されています。

EU規則の骨格は「域内の責任者が、安全性を説明できる状態で市場に出す」ことにあります。禁止・制限・許可の各リストはその前提となるルールで、成分名は国際的な命名法INCIを考慮した共通成分名で表示します。

表示のルールにも日本との違いがある

表示項目を定める第19条では、使用期限の考え方が日本と異なります。原則として「最低保存期限」(適切に保管すれば当初の機能を保つとされる日付)を表示し、30か月を超えて品質が保たれる製品はその表示を省略できる代わりに、開封後に使える期間を、ふたの開いた容器の記号と月数で示すと定められています。ロット番号(製造番号)の表示も必須です。さらに、ナノマテリアルとして配合された成分は、成分名の後に「(nano)」と記すことになっています。

表示や広告で述べる内容(クレーム)の根拠については、別の規則(EU) No 655/2013が共通の基準を定めています。日本の使用期限の考え方は化粧品の使用期限と3年ルールで紹介しています。

参考:欧州委員会、EU官報(規則(EC) No 1223/2009)

——Value Village編集部