カカオは半値に戻ったのに
チョコレートの値段を国際統計で読む
チョコレートの値上げが続いた2025年。原料のカカオ豆は、2024年末に歴史的な高値をつけたあと、2025年にかけて大きく値を下げました。国際ココア機関(ICCO)と総務省の統計を並べると、原料と店頭のあいだにある「時間差」が見えてきます。
1万1,000ドルから5,800ドルへ
ICCOの月次市場報告によると、ロンドン市場のカカオ豆の期近価格は、2024年10月1日の1トン6,896ドルから、12月31日には11,441ドルへと、1シーズンの最初の3か月で66%上昇しました。背景にあったのは供給不足です。ICCOは2023/24年度の世界の需給を約48万9,000トンの不足と集計しています。
その後、相場は下げに転じました。2025年10月の報告では、ロンドン市場は月初の6,320ドルから月末には5,808ドルに。ピークのおよそ半分の水準です。
生産は回復、磨砕は減少
ICCOの2026年8月の四半期統計では、2024/25年度の世界生産は473万3,000トンで前年度比8.5%増。一方、チョコレートやココアの原料として豆を加工する「磨砕(グラインディング)」は464万9,000トンで3.3%減りました。需給は3万7,000トンの供給超過に転じ、期末在庫の磨砕量に対する比率は28.2%です。高値で生産者の再投資が進む一方、加工側は高い原料コストで量を絞った、という構図です。
要点:カカオ豆の国際価格は2024年末のピークから半値近くまで下がりましたが、日本のチョコレートの消費者物価は2025年平均で前年比35.7%上昇(総務省)。原料の高値は、在庫や契約を通じて時間をかけて店頭に届きます。
店頭の値段は遅れて動く
総務省の消費者物価指数(2020年基準)では、チョコレートは2025年平均で前年比35.7%上昇し、「菓子類」全体の8.9%を大きく上回りました。2025年12月単月でも前年同月比25.8%の上昇でした。原料の調達は数か月から1年単位の契約で行われることが多く、国際相場の下落が店頭価格に反映されるまでには時間がかかります。
なお、ICCOは2025/26年度の生産・磨砕データの公表を一時見合わせており、先行きの需給はまだ確定していません。日本の菓子市場全体の動きは3兆8,785億円の、お菓子の国で、同じく国際相場に揺れる飲み物についてはコーヒーの国際価格はなぜ戻らないのかでまとめています。
参考:国際ココア機関(ICCO)、総務省統計局
——Value Village編集部