香料アレルゲンの表示ルール|EUで対象が56物質増えた理由

香料アレルゲンの表示ルール
EUで対象が56物質増えた理由

日本の全成分表示では、香りづけのために配合した成分は通常「香料」とひとまとめに記載されます。EUでも香料は「parfum」とまとめて表示できますが、一部の香料成分だけは例外で、一定の濃度を超えると個別に名前を出す決まりがあります。2023年、その対象が大きく広がりました。

もともとの仕組み:「香料」とは別に名前を出す

EUの化粧品規則(規則(EC) No 1223/2009)第19条は、香料を「parfum」または「aroma」とまとめて表示できるとしたうえで、附属書IIIで指定された物質はそれに加えて成分表示に記載するよう定めています。記載が必要になる濃度は、洗い流さない製品で0.001%超、洗い流す製品で0.01%超です。2009年の制定時の条文では、アミルシンナマルやベンジルアルコール、シトロネロールなど26物質がこの扱いとされていました。

規則(EU) 2023/1545で何が変わったか

2023年7月26日に採択された欧州委員会規則(EU) 2023/1545は附属書IIIを改正し、個別表示が必要な香料アレルゲンとして56物質を新たに加えました。欧州委員会の消費者安全科学委員会(SCCS)の評価を踏まえた改正とされています。移行期間は二段階で、2026年7月31日以降、新しいルールに合わない製品はEU市場に新たに出すことができなくなりました。さらに2028年7月31日以降は、すでに市場にある非適合品も販売できなくなります。

香料アレルゲンの個別表示は、「香料」の一語に含まれる成分のうち、指定された物質についてだけ名前を出す仕組みです。基準は洗い流さない製品で0.001%超、洗い流す製品で0.01%超。制定時の26物質に56物質が加わり、2026年7月31日からEUで新たに出荷される製品は拡大後のリストに沿った表示が求められています。

他の地域の動き

米国では、2022年成立の化粧品規制近代化法(MoCRA)が、香料アレルゲンの表示についてFDAに規則を定めるよう求めています(MoCRAの解説)。具体的な対象や基準は今後の規則で定まる段階です。成分表示はあくまで配合の事実を伝えるもので、肌に合うかどうかには個人差があります。表示の並び方や読み方は全成分表示の読み方もあわせてご覧ください。

参考:欧州委員会、EU官報(規則(EC) No 1223/2009、規則(EU) 2023/1545)、米国食品医薬品局(FDA)

——Value Village編集部