国民医療費は48兆915億円
1人あたり38万円を内訳で読む
厚生労働省は2025年10月、令和5(2023)年度の国民医療費を公表しました。保険診療の対象となりうる病気やけがの治療に、1年間でどれだけの費用がかかったかを推計した確定値の統計です。健康診断や予防接種、正常な妊娠・出産などの費用は含まれません。
過去最高の48兆915億円
令和5年度の国民医療費は48兆915億円で、前年度より1兆3,948億円(3.0%)増え、過去最高となりました。人口1人あたりでは38万6,700円で、前年度から1万3,000円(3.5%)の増加です。国内総生産(GDP)に対する比率は8.08%で、前年度の8.23%からは下がりました。GDPの伸び(4.9%)が医療費の伸びを上回ったためです。
令和5年度国民医療費の要点
・総額:48兆915億円(前年度比3.0%増)
・人口1人あたり:38万6,700円
・65歳以上の医療費:28兆8,806億円(全体の60.1%)
・1人あたり:65歳未満21万8,000円、65歳以上79万7,200円
・財源:保険料50.2%、公費37.5%、患者負担など12.3%
誰の、何の費用か
年齢階級別では、65歳以上の医療費が28兆8,806億円で全体の60.1%を占めます。1人あたりで比べると、65歳以上は79万7,200円で、65歳未満(21万8,000円)の約3.7倍です。
財源を見ると、保険料が24兆1,383億円(50.2%)で半分を占め、そのうち事業主が22.0%、被保険者が28.2%です。公費は18兆331億円(37.5%)で、国庫24.8%、地方12.7%に分かれます。患者負担は5兆6,865億円(11.8%)でした。
診療の種類では、医科診療が71.8%、薬局調剤が17.6%、歯科診療が6.9%です。訪問看護医療費は5,727億円と規模は小さいものの、前年度から23.6%増えています。医科診療医療費を病気の分類別に見ると、循環器系の疾患が6兆2,834億円(18.2%)で最も多く、新生物(腫瘍)が5兆1,994億円(15.0%)で続きます。
都道府県別の1人あたり医療費は、高知県の49万6,300円が最も高く、埼玉県の34万2,500円が最も低い結果でした。死因の統計と並べると、医療費の大きい分野と死因の上位がかなり重なることがわかります。2025年の人口動態統計の記事もあわせてご覧ください。
参考:厚生労働省「令和5(2023)年度 国民医療費の概況」
※この記事は公的機関が公表した統計・制度情報を紹介するもので、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある場合は医療機関にご相談ください。
——Value Village編集部