VILLAGE通信 vol.15 徳島県|ひとつの色が、三つの工芸を生んだ

【VILLAGE通信 vol.15】ひとつの色が、三つの工芸を生んだ
徳島県

香川から南へ。今回は、工芸同士がつながっている話です。

まず、藍があった

阿波藍は、江戸時代から全国市場に進出し、徳島の経済と文化に大きな豊かさをもたらしました。

今も伝統を受け継ぐ藍師(あいし)の手で製造されており、その生産量は全国シェアの大半を占めています。

世界に知られる「ジャパンブルー・藍色」を支えているのがこの地です。

藍を染めるには、器がいる

藍染めには、藍甄(あいがめ)という大きな甄が欠かせません。

その藍甄に使われるのが、大谷焼です。こちらも経済産業大臣の指定を受けています。

染物の産地があったから、それを支える焼き物の産地ができた。需要が先にあり、あとから技がついてきたという順番です。

そして、布になった

阿波正藍しじら織は、天然の阿波藍料を使用した阿波しじら織として、昭和53年7月に国の伝統的工芸品に指定されました。

名前に「正藍」と入っているのが重要です。天然の藍を使っていることが、指定の条件になっているということです。

三つでひとつ

整理すると、こうなります。

阿波藍(染料)
 ↓ それを仕込む器が要る
大谷焼(藍甄)
 ↓ そうやって染めた布が
阿波正藍しじら織

この三つは、別々に生まれた工芸ではありません。ひとつの産業が、三つの形になったものです。

もうひとつ、和紙も

阿波和紙昭和51年12月に国の伝統的工芸品に指定されています。紙1300年前から伝わる紙漉きです。

阿波和紙伝統産業会館では、実際に紙漉きを体験できます。

徳島にはほかにも、阿波木偶人形、阿波踊り竹人形、遊山箱などの工芸があります。

連なっていることの強さ

単体の工芸は、需要が消えれば終わります。

でも徳島の場合、藍が残る限り、藍甄も、しじら織も残ります。どれかひとつを守ることが、他の二つを守ることになっている。

企業でも同じことが言えます。商品を並べるだけなら、ひとつ売れなくなればその分だけ減る。でも、理由でつながっていれば、支え合います。

次号は、愛媛へ。

参考:徳島県庁「伝統工芸品」「阿波正藍しじら織」「阿波藍」「阿波和紙」「伝統産業」、徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」

——Value Village編集部