【VILLAGE通信 vol.2】海峡を渡って、博多へ
福岡県
※ 色のついた語は、Wikipedia(別タブ)で読めます。
前回、旅の出発点となったのは海峡のまち・山口県下関でした。その目の前、わずか700メートルの海を渡った対岸が、今回の村です。
関門海峡を挟んで、下関と門司は向き合っています。歩いて渡れる関門トンネル人道は、わずか780メートル。この短い距離が、本州と九州を、そして日本とアジアをつないできました。
国が認めた伝統工芸、7品目
福岡県には、経済産業大臣が指定する国の伝統的工芸品が7品目あります。博多織、博多人形、小石原焼、上野焼、久留米絣、八女福島仏壇、八女提灯。
さらに県知事が指定する「特産民工芸品」が34品目。こちらは「郷土色が豊かで、技術・技法に50年以上の歴史があり、今日まで継続しているもの」が基準です。
ひとつの県に、これだけの手仕事が生き残っている。大陸への窓口だったことと、無関係ではありません。
12歳の少女が見つけた模様
久留米絣は、筑後地方に伝わる綿織物です。約200年前、農家の娘・井上伝が、色の抜けた古着に現れた斑を見て思いついたと伝えられます。
糸をあらかじめ括って染め分け、織ったときに初めて模様が現れる。完成形を頭のなかだけで組み立てる技法です。偶然の発見が、二世紀を越えて残った。
世界が先に、価値を見つけた
小石原焼の歴史は約350年。長らく、地元で使われるためだけの器でした。
転機は1958年、世界工芸展でのグランプリ受賞です。これを機に1960年代頃から全国に名が知られるようになりました。
この順番は、覚えておきたいところです。価値は元々あった。見つけられていなかっただけです。
博多織は、商人が持ち帰った
博多織は、九州の玄関口として栄える博多で生まれ、育まれてきました。経糸を密に並べ、太い緯糸で打ち込むことで、張りのある厚地の紋が生まれます。帯を締めると「キュッ」と鳴ると言われます。
土の恩恿と、海の恩恿
八女の地でつくられる八女茶、とりわけ玉露は、全国品評会で何度も首位を取ってきました。霧のかかる山間の地形が、葉に旨みを蓄えるといいます。
いちごのあまおうは「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字から。福岡県が年月をかけて育成したオリジナル品種です。
良いものは、もうある
福岡を回ると、どこへ行っても“本物”に出会います。しかし、小さな工房で黙々と織り続ける人の声は、なかなか外へ届きません。
小石原焼がそうだったように、見つけられることで世界は変わります。その役割を Value Village が担います。
次号は、焼き物の村・佐賀へ。
参考:福岡県庁「福岡県の伝統工芸品」、福岡県公式観光情報サイト「クロスロードふくおか」、経済産業省
——Value Village編集部