北海道の特産品・お土産・観光ガイド

Hokkaido: Local Specialties, Souvenirs, Shrines & Temples, Sightseeing
Japan 47 Prefecture Guide

北海道の食を「豊かだ」と言うだけなら、何も言っていないのと同じです。数字で見ると、この土地が日本の何を引き受けているのかがはっきりします。

特産品

生乳の生産量は、全国の半分以上。ただし重要なのは量ではなく、使われ方です。

本州の牛乳は飲用が中心ですが、北海道は消費地までの距離が長い。だからはじめからバターやチーズ、脱脂粉乳といった加工向けが前提になっています。

距離という不利が、加工という産業を生んだ。北海道が乳製品の産地になったのは、牛が多いからだけではありません。

じゃがいもは全国のおよそ8割。てん菜(ビート)は国内生産のほぼ全量がこの一道です。てん菜は砂糖の原料。日本は輸入原料に大きく依存しますが、国産糖の相当部分をここが支えています。

お土産

土産菓子に乳とチョコレートが多いのは趣向の問題ではありません。原料が地元にあるからです。

低温の気候は、温度に弱い菓子の製造に向く。生チョコレートが名物になった理由のひとつです。

海産の加工品も同じ理屈。冷凍と乾物にすることで、遠くまで運べるようになった。

神社・お寺

北海道神宮(札幌市)は、1869年、開拓の守り神として明治天皇の詔により建てられた神社です。

本州の神社はたいてい千年単位の歴史をもちます。北海道神宮は百五十年ほど。それでも道内でもっとも人が集まる神社です。信仰の重みは年数だけでは決まらない。開拓という事業に、拠りどころが必要でした。まつるのは国土開拓の三神です。

函館八幡宮や姥神大神宮(江差町)はそれより古い。ニシン漁と北前船で栄えた道南は、本州とのつながりが早くからあった地域です。

そしてアイヌの信仰に社殿はありません。カムイは山や川や動物に宿るとされ、拝む場所は自然そのものでした。沖縄の御嶽と同じく、建物を建てない信仰です。北海道にはこの二つの層が重なっています。

観光

知床が2005年に世界自然遺産になった理由は、景色の美しさではありません。流氷が運ぶ栄養塩が海の生態系を支え、海と陸のつながりが一か所で完結して見えることが評価されました。

函館の夜景が独特なのは、両側を海にはさまれた狭い土地に街が広がっているから。地形がそのまま眺めになっています。

富良野のラベンダーは観光用に植えられたものではありません。香料の原料が合成香料に押されて一度は衰退し、写真をきっかけに残った。見ごろは7月、雪まつりは2月。この土地の観光は、季節を外すと成立しません。

伝統工芸

北海道の国指定伝統的工芸品は、二風谷イタと二風谷アットゥシの2品目だけです。どちらもアイヌの工芸で、2013年の指定。

イタは盆、アットゥシはオヒョウの内皮で織る布。どちらも売るためではなく、自分たちが使う道具として始まっています。

詳しくは 【VILLAGE通信 vol.47】最後の村は、アイヌの手仕事

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特産品も土産も観光地も、たどると同じところに行き着きます。寒さと、距離と、広さ。

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参考:農林水産省「作物統計調査」「牛乳乳製品統計」、北海道、環境省、平取町、北海道神宮、伝統的工芸品産業振興協会 ——Value Village編集部