着物の保管について、よくある誤解は?
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着物は「代々受け継ぐもの」と言われますが、それは正しい保管が前提です。訪日客が浴衣や着物を買う機会も増え、「どうしまうか」が海外からも問われるようになりました。日本の湿度を前提にした保管の知恵を整理します。
保管の基本
| 項目 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 着た後 | 着物ハンガーに掛けて一晩(直射日光を避けて)、汗と湿気を抜く。ブラシまたは柔らかい布でほこりを払う | 湿気はカビと変色の原因 |
| 畳み方 | 本畳み(縫い目に沿って畳む) | 折り目が縫い目と一致し、跡が残らない |
| 包む | たとう紙(和紙)に包む。たとう紙は1〜3年で交換(黄ばみが出たら) | 通気性と防湿。古いたとう紙は湿気を持つ |
| 収納 | 桐の箪笥または通気性のある衣装箱。プラスチック衣装ケースなら乾燥剤を。着物専用の乾燥剤・防虫剤を直接触れさせない | 桐は湿度調整に優れる |
| 虫干し | 年1〜2回(10〜11月の晴天が続いた日、または1〜2月)、風通しのよい室内で半日〜1日 | 湿気を抜き、虫とカビの点検 |
| 防虫剤 | 1種類のみ、衣類の上に。パラジクロロベンゼンは金糸・銀糸・箔を変色させることがある | 混用は溶けてシミ |
- 絹は動物性たんぱく質で、汗(酸化してアルカリ性に)・皮脂・湿気で黄変し、イガ・カツオブシムシに食われます。
- 汗をかいた着物は「汗抜き」(専門店の処理)を。丸洗い(ドライ)だけでは汗の成分は残るとされます。
- 箪笥の上段は乾燥、下段は湿気がたまりやすい。絹は上、木綿・麻は下が一般的な配置です。
【要検証】虫干しの時期・頻度、たとう紙の交換時期は呉服業界・きもの関連団体の案内に基づく一般的な目安です。
誤解1|たとう紙に包めばずっと守られる
たとう紙は湿気を吸って黄ばみ、数年で役目を終えます。 黄ばみ・シミが出たら交換。ビニール袋は不可(湿気を閉じ込める)。
誤解2|着た後すぐ畳んでしまう
汗と湿気が残ったまま畳むと、カビと黄変の原因です。一晩掛けて乾かすのが基本。
誤解3|防虫剤は多く、複数の種類を入れれば安心
種類を混ぜると溶けてシミを作り、パラジクロロベンゼン系は金糸・箔を変色させることがあります。1種類、規定量、衣類の上に。
誤解4|虫干しは面倒だから省いてよい
年1〜2回の虫干しが、絹の着物を数十年保つ前提です。箪笥の引き出しを開けて扇風機で風を通すだけでも効果があるとされます。
誤解5|浴衣(木綿)も着物と同じ扱い
木綿の浴衣は家庭で洗えます(表示を確認)。洗って完全に乾かし、畳んでしまう。絹の着物とは別の扱いで、虫より湿気・黄ばみに注意します。
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出典
- 文化庁「伝統的工芸品・和装文化の保存」
https://www.bunka.go.jp/
- 一般社団法人日本和装協会/全日本きもの振興会「きもののお手入れと保管」
https://www.kimono-shinkoukai.or.jp/
- 一般社団法人日本家庭用殺虫剤工業会「防虫剤の正しい使い方」
https://www.jhpia.or.jp/
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