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模様を描いたネイルアートの指先

ジェルネイルの成分「TPO」がEUで使えなくなった
2025年9月からの禁止のしくみ

ジェルネイルは、塗ったあとにUVライトやLEDライトを当てて固めます。この「光で固める」反応を始めるために使われてきた成分のひとつがTPO(トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)です。EU(欧州連合)では2025年9月1日から、TPOを含む化粧品の販売が禁止されました。

CMR物質に分類されると、化粧品には使えない

EUでは、化学品の分類・表示のルール(CLP規則)で、発がん性・変異原性・生殖毒性のいずれかに分類された物質を「CMR物質」と呼びます。TPOは委任規則(EU)2024/197で生殖毒性の区分1Bに分類され、この分類は2025年9月1日から適用されました。

EU化粧品規則では、区分1A・1BのCMR物質は原則として化粧品に使えません。これを受けて規則(EU)2025/877がTPOを化粧品規則の附属書II(使用禁止物質の一覧)に加え、同じ日から禁止となりました。欧州委員会によると、TPOについて例外的な使用を認めるよう求める申請はありませんでした。

EUのTPO禁止のポイント
・2025年9月1日から、TPOを含む化粧品の上市・販売が禁止
・理由:CLP規則で生殖毒性区分1Bに分類されたため
・CMR物質の禁止には、在庫を売り切るための経過措置がない
・欧州委員会のQ&Aは、サロンで客に施術することも「市場で提供する」行為にあたるとしている

「売り切り期間」がないという特徴

多くの成分規制では、一定期間は在庫の販売を認める経過措置が設けられます。しかしCMR物質の禁止には、こうした売り切りの期間がありません。欧州委員会のQ&Aは、ネイリストが9月1日以降にTPOを含む製品を客に使うことも認められないとの考え方を示しました(業界団体の一部には異なる解釈もあり、各国当局の判断も確かめる必要があります)。

メーカー各社は、TPOを使わない処方への切り替えを進めています。日本では化粧品の成分は「化粧品基準」で定められており、EUの決定がそのまま日本のルールになるわけではありません。日本の考え方は化粧品基準とポジティブリスト、EUの全体像はEU化粧品規則1223/2009で紹介しています。

参考:欧州委員会「TPO in nail products – Questions and Answers」(2025年8月)、規則(EU)2025/877、委任規則(EU)2024/197

——Value Village編集部

写真:Hanay/CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)