【VILLAGE通信 vol.16】焼き物で、六番目に呼ばれた
愛媛県
徳島から西へ。今回は、壊れにくい器の話です。
焼き物で、六番目
砥部焼は、昭和51年に通商産業省より伝統的工芸品に指定されました。
焼き物としては、全国で6番目の指定です。
この連載ではこれまで、波佐見焼、小石原焼、薩摩焼、壷屋焼、備前焼を見てきました。日本には焼き物の産地が無数にあります。そのなかで早い段階で呼ばれたということです。
1777年、磁器に成功する
磁器の創業から約250年。起点は安永6(1777)年に磁器焼成に成功したこととされています。
そして文政元(1818)年、鉄分含有量の少ない川登陶石が発見されます。
鉄分が少ないということは、白く焼き上がるということです。この石の発見が、砥部焼の白を決めました。
指定されているのは、四種類
- 白磁
- 染付
- 青磁
- 天目(鉄釉)
いずれも地元の陶石原料を生かしたものです。
「やや厚手で、飾り気のない形」
砥部焼の特色を、砥部町はこう説明しています。
白磁の肌に溶け込んだ呉須絵、素地の白さに調和した色絵、やや厚手の飾り気のない形と材質の堅さ
工芸の説明で「飾り気がない」「厚手」を特色として掲げるのは、なかなかありません。
でもこれは、毎日使って、洗って、重ねてしまう器としては正しい設計です。薄くて繊細な器は美しいけれど、毎日は使えません。
窑元が、約100軒
砥部町には約100軒の窑元があります。砥部焼伝統産業会館では、学ぶことも購入することもできます。
平成17年には、愛媛県の無形文化財にも指定されました。
もうひとつ、平安からの紙
愛媛には大洲和紙もあります。こちらも国の伝統的工芸品で、平安時代から続いているとされています。
大洲手漉和紙協同組合が現在も活動しており、手漉きの体験もできます。
指定がなくても、世界に届く
最後に、この県で一番有名なものに触れておきます。
今治タオル。これは国の伝統的工芸品ではありません。でも、今治タオル工業組合を中心に、世界に知られるブランドになりました。
国の指定は、価値の証明であって、価値の条件ではありません。
指定を受けた砥部焼も、受けていない今治タオルも、同じように人に選ばれています。
次号は、四国の最後・高知へ。
参考:砥部町「砥部焼の紹介」「砥部焼の歴史」「砥部焼伝統産業会館」、愛媛県庁「えひめの文化財・砥部焼」「えひめ逸品大使館」、愛媛県公式観光サイト「いよ観ネット」、伝統的工芸品産業振興協会
——Value Village編集部