青い亜麻の花

リネンの長繊維4分の3は西欧産
亜麻の産地を読む

夏のシャツやキッチンクロスでおなじみのリネンは、亜麻(フラックス)という植物の茎からとれる繊維です。その産地は意外なほど限られています。欧州の業界団体「Alliance for European Flax-Linen & Hemp」(旧CELC)の公表データから、リネンの原料事情を見ていきます。

フランス北部から続く細長い産地

同団体によると、衣料などに使われる亜麻の長繊維は、世界の約4分の3がフランス、ベルギー、オランダの3か国で生産されています。栽培地はフランスのブルターニュ地方からオランダへと続く、海沿いの帯状の地域に集まっています。

2024年の欧州の作付面積は18万5,849ヘクタールで、2020年の記録を約2万ヘクタール上回る過去最高となりました。内訳はフランス16万2,124ヘクタール、ベルギー2万156ヘクタール、オランダ3,569ヘクタールで、フランスが9割近くを占めます。2023年の欧州の長繊維生産量は14万トン、そのうち12万2,000トンがフランス産でした。

灌漑なしで育ち、畑で繊維をほぐす

同団体は、欧州の亜麻は例外的な場合を除いて種まきから収穫まで灌漑を行わないと説明しています。刈り取った茎は畑に広げ、露や雨、微生物の働きで繊維を茎から離れやすくする「露浸法(デュー・レッティング)」で処理されます。天候に左右される分、年ごとの収量や品質には差が出ます。

数字の要点
亜麻の長繊維の約4分の3は仏・白・蘭の3か国産。2024年の欧州の作付けは18万5,849ヘクタールで過去最高。それでも亜麻は世界の繊維生産の0.3%ほど(Textile Exchange、2024年)です。

Textile Exchangeの集計では、2024年の亜麻の生産量は約30万トンで、世界の繊維生産に占める割合は約0.3%でした。ポリエステルが約59%を占める中で、リネンはごく小さな存在です。欧州の繊維政策についてはEUデジタル製品パスポートの記事もあわせてどうぞ。産地が限られた素材だからこそ、どこで育ったかという情報には意味があります。

参考:Alliance for European Flax-Linen & Hemp、Textile Exchange

——Value Village編集部