世界の綿花2,590万トン
ICACが見る2026/27年度
Tシャツやシャツの多くを支える綿は、ポリエステルに次いで世界で2番目に多く生産されている繊維です。国際綿花諮問委員会(ICAC)が2026年5月のWTO「コットンデー」で示した見通しから、綿花の現在地を数字で追います。
生産が消費をわずかに上回る見通し
ICACは2026/27年度の世界の綿花生産を2,590万トン、消費を2,530万トンと予測しています。前年度の2025/26年度についても、同機関は生産約2,600万トン、消費約2,570万トンと見込んでおり、需給はほぼ釣り合った状態が続いています。
生産国の構成(2026/27年度予測)は、中国27%、インド21%、ブラジル15%、米国12%、西アフリカ4%。上位4か国で世界の約4分の3を占めます。消費側では中国32%、インド22%、パキスタン8%、バングラデシュ7%、ベトナム7%と、紡績や縫製の拠点がある国が並びます。輸出はブラジル31%、米国29%、オーストラリア11%の順です。
面積の4割はインド、収量は5倍の差
興味深いのは、畑の広さと収穫量が一致しない点です。2026/27年度の世界の綿花栽培面積は3,017万ヘクタールで、そのうち39%にあたる1,180万ヘクタールがインドにあります。一方、1ヘクタールあたりの収量は、中国が2,414キロ、オーストラリアが2,325キロ、ブラジルが1,868キロであるのに対し、インドは458キロ。世界平均は859キロです。灌漑の有無や品種、栽培方法の違いが、同じ綿でもこれだけの差を生んでいます。
数字の要点
2026/27年度の世界の綿花生産は2,590万トン、消費は2,530万トン(ICAC予測)。インドは世界の栽培面積の39%を持つ一方、単位面積あたりの収量は世界平均の約半分です。
Textile Exchangeの集計では、綿は2024年時点で世界の繊維生産の約19%にあたります。繊維全体の規模と内訳は世界の繊維生産1億3,200万トンの記事で詳しく紹介しています。同じ綿のシャツでも、どの国のどんな畑から来たのかをたどると、素材の見え方が少し変わってきます。
参考:国際綿花諮問委員会(ICAC)、世界貿易機関(WTO)、Textile Exchange
——Value Village編集部