手首式の血圧計

世界の高血圧は14億人
管理できているのは5人に1人

世界保健機関(WHO)は2025年9月、2回目となる「世界高血圧報告(Global report on hypertension 2025)」を公表しました。195の国と地域のデータから、高血圧の広がりと、診断・治療・管理がどこまで届いているかを推計したものです。

30〜79歳の3人に1人

WHOのファクトシートによると、2024年時点で高血圧のある30〜79歳の成人は推計14億人で、この年齢層の33%にあたります。WHOは血圧が140/90mmHg以上の状態などを高血圧としています。1990年には6億5,000万人だったとされ、増加の多くは低・中所得国で生じており、高血圧のある人の3分の2はこれらの国に住んでいます。

14億人の内訳(WHO推計、2024年)
・高血圧があることを自覚していない人:約6億人(44%)
・診断を受け治療している人:約6億3,000万人(44%)
・血圧が管理されている人:約3億2,000万人(23%)

つまり、高血圧のある人のうち血圧が目標範囲に管理されているのは5人に1人強にとどまります。報告では、195の国と地域のうち99で管理率が20%未満でした。

医療へのアクセスの差

報告が繰り返し指摘するのは、国の所得水準による差です。WHOが推奨する降圧薬がすべて一般に入手できると答えた国は、高所得国では93%だったのに対し、低所得国では28%にとどまりました。

経済面では、高血圧を含む循環器疾患が低・中所得国にもたらす損失を、2011年から2025年の累計で3兆7,000億米ドル、これらの国々のGDPの約2%と見積もっています。一方で、韓国の管理率が2022年に59%に達したことや、バングラデシュの一部地域で2019年から2025年にかけて管理率が15%から56%に上がった例が、取り組みの事例として紹介されています。

WHOは、診断と継続的な治療を地域の一次医療で受けられる体制づくりを各国に求めています。数字を見るかぎり、課題は「知らない」「治療につながらない」の二つの段階にあるといえそうです。食塩摂取量に関する世界の統計は、世界の食塩摂取量はWHO目標の2倍超という記事で紹介しています。

参考:世界保健機関(WHO)

※この記事は公的機関が公表した統計・制度情報を紹介するもので、特定の疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。健康上の不安がある場合は医療機関にご相談ください。

——Value Village編集部