
化粧品の容器も対象に
EUの包装規則「PPWR」が2026年8月から適用
The text of this article is in Japanese.
化粧品のルールというと中身の成分に目が向きがちですが、EUではいま、容器そのものに関する大きな規則が動き始めています。2026年8月12日から適用が始まった「包装・包装廃棄物規則(PPWR)」です。
指令から「規則」へ
PPWRの正式名称は「規則(EU)2025/40」。2025年2月11日に発効し、2026年8月12日から一般的に適用されています。それまでのEUの包装ルールは「指令」で、各国がそれぞれ国内法に置き換える必要がありました。今回は「規則」なので、加盟27か国に同じ内容がそのまま適用されます。
対象は食品や日用品だけでなく、化粧品のボトル、チューブ、ジャー、外箱などEU域内で流通する包装全般です。中身の成分を定めるEU化粧品規則(1223/2009)とは別の枠組みで、化粧品メーカーは両方を見る必要があります。
EUが掲げる削減目標
欧州委員会によると、PPWRは包装廃棄物を1人あたりで2018年比、2030年までに5%、2035年までに10%、2040年までに15%減らすことを目標にしています。
PPWRの要件は一度に始まるわけではありません。2026年8月の適用開始のあと、リサイクルしやすさの等級づけ、再生材の最低使用率、EU共通の分別表示などが、2028年以降、2030年に向けて段階的に加わっていく設計です。
化粧品の容器で注目される点
- リサイクルしやすい設計:素材の組み合わせやポンプ部品など、分別しにくい構造が見直しの対象になります。
- 過剰な包装の抑制:中身に対して大きすぎる外箱や、二重・三重の包装を減らす考え方が盛り込まれています。
- 共通の表示:どの容器をどこに捨てるかを、EU共通の表示で示す方向です。
EUはこれまでも、化粧品に意図的に加えたマイクロプラスチックを段階的に規制するなど(化粧品のマイクロプラスチック|EUが決めた段階的な規制)、環境面のルールを強めてきました。容器の規則はその流れの延長にあります。
日本の私たちとの関係
PPWRはEU域内で売られる製品に適用されるルールで、日本国内の販売に直接かかるものではありません。ただ、EUへ輸出する日本の化粧品は容器の設計や表示を合わせる必要があり、世界で同じ容器を使うブランドでは、日本で手に取る商品の容器が変わることもありえます。容器の裏の小さな表示にも、海の向こうのルールが反映される時代になっています。
英国の制度については、英国で化粧品を売るには|EU離脱後の届出「SCPN」で紹介しています。
参考:欧州連合官報「規則(EU)2025/40」、欧州委員会(環境総局)「Packaging waste」
——Value Village編集部




