本文へ移動

¥11,000(税込)以上で送料無料(北海道・九州・沖縄を除く)

緑の皮の西洋かぼちゃ

ハロウィンのかぼちゃ、3割は海の向こうから
ニュージーランドとメキシコが支える端境期

10月31日はハロウィン。街の飾りにも、カフェのプリンやタルトにも、オレンジ色のかぼちゃが並ぶ季節です。いまでは一年中スーパーで見かけるかぼちゃですが、その一部は、季節が逆の南半球や、遠いメキシコから届いています。農畜産業振興機構(ALIC)と税関の資料から、日本のかぼちゃの供給を読み解きます。

国内供給は23万5千トン、そのうち約3割が輸入

ALICの「野菜情報」(2026年7月号)によると、2024年のかぼちゃの国内供給量(国内生産量と生鮮輸入量の合計)は23万4,974トンでした。2015年と比べて24.0%少なく、長い目で見ると減少傾向にあります。

このうち輸入は7万573トン。国内供給のおよそ3割を輸入が占めている計算です。輸入先はニュージーランドが3万9,732トン(輸入全体の56%)、メキシコが2万9,558トン(同42%)で、この2カ国だけで98%になります。

日本のかぼちゃ、数字で見る供給
国内供給量(2024年):23万4,974トン(2015年比24.0%減)
うち輸入:7万573トン(約3割)
輸入先:ニュージーランド56%、メキシコ42%
2025年の輸入量(速報):6万6,157トン(前年比94%)

なぜ南半球とメキシコなのか

理由は「端境期(はざかいき)」です。東京都中央卸売市場では、8月〜12月は北海道産を中心とした国産が出回り、1月〜6月は鹿児島県産や沖縄県産があるものの量が少なくなります。その時期を埋めるのが輸入品です。

神戸税関の資料によると、メキシコ産は12月・1月・5月・6月に、ニュージーランド産は2月から5月にかけて多く輸入されます。日本に入るかぼちゃの多くは日本から持ち込まれた種を使い、日本向けに栽培されてきたものだといいます。季節が逆の産地を組み合わせることで、かぼちゃは一年中、ほぼ途切れずに店頭に並んでいるのです。

ちなみに、かぼちゃの輸入港として全国1位なのは神戸港です。数量・金額とも37年連続で全国シェア1位で、2024年は数量の66.7%を占めました。

輸入も減りつつある、その背景

ALICによると、2025年1〜12月のかぼちゃ輸入量(速報値)は6万6,157トンで、前年の94%でした。神戸税関は、価格の上昇や調理の手間などを背景に国内消費が減り、国内生産だけでなく輸入も減る傾向にあるという業界の声を紹介しています。2023年にはニュージーランドでサイクロンが畑を水没させ、輸入が大きく落ち込みました。

ニュージーランド側でも、気候変動による生産量の減少や人件費の上昇が課題になっているとALICは報告しています。メキシコ産も温暖化で栽培に適した条件が変わりつつあるといいます。2022年に発効した地域的な包括的経済連携協定(RCEP)で、ニュージーランド産かぼちゃの関税は3%から1.9%(2026年4月時点)へ下がりましたが、需要が落ち着くなかで輸入が大きく増えるには至っていません。

スイーツの素材として

一方で、かぼちゃはケーキやプリンなどスイーツの素材として注目され、新しいメニューへの活用が広がっていると神戸税関の資料は伝えています。ほくほくした甘みと鮮やかな色は、秋冬の焼き菓子や和菓子にも欠かせません。

ハロウィンのかぼちゃスイーツを手に取ったら、その一切れが北海道の夏の畑から来たのか、南半球の秋から来たのか、少し想像してみるのも楽しいかもしれません。世界の食材の動きは世界のピスタチオの記事でも紹介しています。

参考:農畜産業振興機構「野菜情報」2026年7月号(ニュージーランドのかぼちゃ生産の現状)、同「野菜輸入レポート(2025年1-12月速報値)」、神戸税関「かぼちゃの輸入」(2025年10月)

——Value Village編集部