緑茶の輸出が、一年で倍になった
抹茶ラテとスイーツが引っ張った720億円
数字から入ります。
1年で、ほぼ倍
農林水産省の発表によれば、2025年の緑茶の輸出額は 720億円。前年比 98.2%増でした。
推移を並べると、伸び方の異常さが分かります。
| 2022年 | 約 219億円 |
|---|---|
| 2023年 | 292億円 |
| 2025年 | 720億円 |
伸びを作ったのは、飲むお茶ではない
農水省は、伸びの理由をこう説明しています。
欧米や東南アジア向けで、ラテやスイーツの原料になる抹茶などの粉末状茶が増加した結果、緑茶は前年比で倍増した
急須で入れて飲むお茶ではなく、「材料としての抹茶」が伸びたということです。
抹茶ラテ、抹茶アイス、抹茶クッキー、抹茶ティラミス。世界のカフェと菓子屋が、日本茶の最大の販売チャネルになりました。
どこに行っているのか
2025年の国・地域別内訳です。
| 米国 | 293億円 |
|---|---|
| ドイツ | 58億円 |
| 英国 | 47億円 |
| タイ | 30億円 |
| 台湾 | 26億円 |
米国だけで全体の4割超。一国に偏っているということは、その国の流行が変われば影響も大きい、ということでもあります。
全体の数字も見ておく
2025年の農林水産物・食品の輸出額は 1兆7,005億円。前年比 12.8%増で、13年連続で過去最高を更新しました。
そのなかで緑茶は720億円。全体の4%程度です。金額では小さいけれど、伸び率は全体の約8倍。伸びている場所は限られています。
実は、化粧品と同じ話です
なぜ化粧品を売る会社がお茶の輸出を書くのか。
「飲むもの」として売れていたものが、「材料」になった瞬間に市場が倍になった――この構造が、今日のものづくり全般にあてはまるからです。
VILLAGE通信で見てきた伝統工芸も同じでした。熊野筆は書道用の筆から化粧筆へ。因州和紙は書道用紙からあぶらとり紙へ。
用途が変わると、市場の大きさが変わる。もの自体は何も変わっていないのに。
参考:農林水産省「2025年の農林水産物・食品の輸出実績」「日本茶輸出促進ポータル」「特集『日本茶を世界に届ける』」、JETRO「2025年農林水産物・食品の輸出実績(国・地域別と品目別の詳細版)」「輸出品目別レポート(緑茶)」
——Value Village編集部