房州うちわ、竹の丸みを残す手仕事|Value Village

VILLAGE通信 vol.12 千葉県
房州うちわ、竹の丸みをそのまま柄に

関東編の5回目は千葉県です。千葉県で最初に国の伝統的工芸品に指定されたのは、南房総に伝わる「房州うちわ」でした。京都の京うちわ、香川の丸亀うちわと並び、日本三大うちわの一つに数えられています。

2003年、千葉県初の指定

千葉県によると、房州うちわは2003年(平成15年)3月17日、経済産業大臣から国の伝統的工芸品に指定されました。千葉県では初めての指定です。産地を支える房州うちわ振興協議会の事務局は館山市役所に置かれています。

竹を割らずに、柄にする

房州うちわのいちばんの特徴は、柄の部分です。平たく削った板状の柄ではなく、細い女竹(めだけ)の丸い形をそのまま柄として生かします。竹の上部を細かく割いて骨をつくり、糸で編んで扇面の土台となる「窓」を形づくったうえで、紙や布を貼って仕上げます。一本の竹が、柄から骨まで途切れずにつながっているのです。

房総半島南部は、うちわや扇子の材料となる良質な竹の産地でした。明治期には竹材が東京へ送られ、のちに東京のうちわ職人やうちわ問屋がこの地に移り住んだことで、材料の産地がそのまま製品の産地になったと伝えられています。

要点
・京うちわ、丸亀うちわと並ぶ日本三大うちわの一つ
・2003年(平成15年)3月17日、千葉県で初めて国の伝統的工芸品に指定
・丸い女竹をそのまま柄に生かし、上部を細かく割いて骨にする
・竹の産地が、そのまま製品の産地になった

館山市などでは、うちわづくりの体験ができる施設もあります。夏の道具というイメージが強いうちわですが、竹の丸みを手に取ると、つくりの細やかさがよくわかります。

前回は埼玉県の秩父銘仙を訪ねました。VILLAGE通信 vol.11 埼玉県はこちら。千葉県の見どころは47都道府県ガイドの千葉県編からどうぞ。次回は東京都を訪ねます。

参考:千葉県、館山市、伝統的工芸品産業振興協会

——Value Village編集部