
VILLAGE通信 vol.20 長野県
木曽漆器、ヒノキの谷で磨かれた堅い塗り
本文章內文為日文。
中部編の6回目は長野県です。長野県には飯山仏壇や松本家具、信州紬なども国の伝統的工芸品に指定されていますが、今回は塩尻市の木曽平沢(きそひらさわ)を中心に受け継がれる「木曽漆器」を訪ねます。
ヒノキの木地を、漆で丈夫に
木曽の漆器づくりは、17世紀の初め、ヒノキをはじめとする木曽の良質な木で作った道具を丈夫にするため、漆を塗ったことが始まりと伝えられています。江戸時代に中山道が五街道のひとつとして整えられると、木曽の宿場は旅人でにぎわい、曲げ物の弁当箱「めんぱ」や櫛などの塗り物が、みやげとして全国に知られるようになりました。
奈良井の「錆土」が支えた堅牢さ
木曽漆器を語るうえで欠かせないのが、明治時代の初めに地元で見つかった、鉄分を多く含む「錆土(さびつち)」です。塩尻市の奈良井地区で採れるこの土を漆に混ぜて下地に使うことで、割れにくく丈夫な漆器が作れるようになりました。技法では、木目の美しさを生かす「木曽春慶」、漆を幾層にも塗り重ねて研ぎ出しまだら模様を表す「木曽堆朱」、色漆で模様を塗り分ける「塗分呂色塗」の三つが代表的です。1975年(昭和50年)、木曽漆器は国の伝統的工芸品に指定されました。
要点
・17世紀初め、木曽の木製品を丈夫にするため漆を塗ったのが始まりと伝わる
・中山道の宿場で「めんぱ」や櫛が知られ、全国に広まった
・明治初めに奈良井で見つかった鉄分の多い「錆土」が堅い下地を支える
・1975年(昭和50年)、国の伝統的工芸品に指定
町並みごと漆の里
木曽平沢には、漆器の工房や店が通り沿いに軒を連ねています。2006年(平成18年)には「漆工町」として、町並みが国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれました。すぐ南には宿場町の奈良井宿があり、街道を歩きながら、器が生まれる町と旅人が行き交った町を続けて見て回ることができます。
前回は山梨県の甲州水晶貴石細工でした。VILLAGE通信 vol.19 山梨県はこちら。長野県の見どころは47都道府県ガイドの長野県編からどうぞ。次回は岐阜県を訪ねます。
参考:塩尻市、長野県、経済産業省「伝統的工芸品」指定品目一覧、伝統的工芸品産業振興協会、文化庁(重要伝統的建造物群保存地区)
——Value Village編集部
写真:663highland/CC BY 2.5(Wikimedia Commons)



