
【VILLAGE通信 vol.41】三大漆器の、最後のひとつ
福島県
東北に入ります。福島県の国指定は会津塗、会津本郷焼、大堀相馬焼、奥会津昭和からむし織、奥会津編み組細工の5品目です。
三大漆器が、揃いました
会津塗(福島)、山中漆器(石川・vol.31)、紀州漆器(和歌山・vol.18)。この三つを日本三大漆器と呼びます。
三つとも、生き方が違いました。
- 紀州は、日常づかいの量で
- 山中は、木地挽きの技術で
- 会津は、藩の産業政策で
会津塗の基礎をつくったのは、安土桃山時代に会津に入った蒲生氏郷だとされます。郷里の近江日野から漆職人を連れてきて、産業として立ち上げた。
石川(vol.31)や富山(vol.32)で、藩が職人を呼び寄せた話を書きました。会津は、そのもっとも早い例のひとつです。
会津塗の特徴は、蒔絵のなかでも消粉(けしふん)や、漆の上に鉄粉をまいて錆びさせる錆絵など、装飾の幅が広いことです。
避難を経て、続いている窯
大堀相馬焼は、浜通りの浪江町大堀地区で焼かれてきた焼き物です。
特徴は二つ。
- 走り駒:相馬藩の馬を描いた絵。緑の釉の上に、一筆で
- 二重焼:器を二重につくり、間に空気の層をつくる。熱いものを入れても外側が熱くなりにくい
この産地は、2011年の東日本大震災と原発事故によって、窯元が各地に避難することになりました。
それでも、避難先で窯を開いた作り手がいます。土も釉の原料も地元のものを使うのが焼き物ですから、これは容易なことではありません。
島根の回(vol.12)で、一度絶えてから戻った工芸の話を書きました。大堀は、絶えないために場所を変えた例です。
苧麻と、山ぶどう
奥会津昭和からむし織は、苧麻(ちょま)の繊維を手で引いて糸にし、織る工芸です。
この連載で、麻の織物は滋賀(vol.21)、新潟(vol.33)に続いて三つ目。いずれも、雪が多くて湿度の高い場所です。
奥会津編み組細工は、マタタビ、ヒロロ、山ぶどうのつるなど、山の植物を編んでつくるカゴです。
兵庫の豊岡杞柳細工(vol.24)と同じ、「ものを入れて運ぶ」道具です。
よくある質問
Q. 会津本郷焼とはどんな焼き物ですか。
A. 会津美里町本郷で焼かれる、東北で最も古い部類に入る窯です。陶器と磁器の両方をつくってきたのが特徴で、飴色の釉薬をかけた「飴釉」の器で知られます。
次号は宮城へ。硯の話です。
参考:福島県、会津若松市、会津美里町、浪江町、昭和村、伝統的工芸品産業振興協会
——Value Village編集部




