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紅型の文様

【VILLAGE通信 vol.9】国指定16品目、全国4位
沖縄県

九州を離れ、海を渡ります。

244分の16

経済産業省が指定する伝統的工芸品は、全国で244品目(2025年10月現在)。

そのうち沖縄県は16品目。品目数で全国第4位です(令和7年10月現在)。

この連載でここまで見てきた県を思い出してください。大分は1品目、宮崎は2品目、鹿児島は3品目。そこに、沖縄は16。

本土から最も遠く、最も小さな面積の県のひとつが、なぜこれほどの技を抱えているのでしょうか。

王国だった、ということ

答えのひとつは、ここがかつて独自の王国だったことにあります。

琉球びんがたは、琉球王の保護を受けながら、琉球独特の染織文化をつくりあげました。沖縄でただひとつの染物です。伝産法に基づく国の指定は昭和59年度。

壷屋焼も同じです。1682年、琉球王府が製陶産業の拠点をつくろうと、沖縄各地の窯を那覇市・壷屋に集めました。やちむんの代表格は、この政策から生まれています。国の指定は昭和51年度。

大宜味村の芭蕉布も、沖縄を代表する染織物として今に伝わっています。

守ったのではなく、集めた

注目したいのは、壷屋焼の起こり方です。

自然に残ったのではありません。各地に散らばっていた窯を、一か所に集めた。

集めれば、技が交わります。土の見立て方も、釉薬の配合も、窯の組み方も。一人の陶工が一生でたどりつける距離を、集団なら短縮できる。

伝統は、放っておいて残るものではない。残そうとした人が、そのための仕組みをつくったから残っています。

小さな場所の、強さ

沖縄が16品目を抱えているのは、広いからではなく、独自だったからです。

本土の流行がそのまま入ってこなかったことが、結果として、ここにしかない形を残しました。

小さいことは、弱さとして語られがちです。でもこの島を見ていると、小さいからこそなくならなかったとしか思えません。

次号からは中国地方へ。まずは広島へ向かいます。

参考:沖縄県庁「沖縄の伝統工芸」「工芸品産地概況」、沖縄県公式観光サイト「おきなわ物語」、伝統的工芸品産業振興協会

——Value Village編集部

写真:Bruno Cordioli/CC BY 2.0(Wikimedia Commons)