健康・医療|境界線 ヒト幹細胞コスメは、再生医療ではない

ヒト幹細胞コスメは、再生医療ではありません
法律で見る境界線

当店はヒト幹細胞順化培養液を配合した化粧品を複数取り扱っています。

だからこそ、混同されやすいことを、先にはっきり書いておきます。

ヒト幹細胞培養液を配合した化粧品は、再生医療ではありません。
適用される法律も、手続きも、完全に別です。

再生医療には、専用の法律があります

再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年11月27日 法律第85号)。通称、再生医療等安全性確保法です。

この法律は、再生医療等技術をリスクに応じて3つに分類し、それぞれに異なる手続きを定めています。

  • 第一種再生医療等技術
  • 第二種再生医療等技術
  • 第三種再生医療等技術

医療機関は、提供する前に再生医療等提供計画を提出しなければなりません。

審査する委員会も、国が認定しています

提供計画は、認定再生医療等委員会の意見を聞く必要があります。

これは再生医療等技術や法律の専門家等の有識者からなる合議制の委員会で、一定の手続きにより厚生労働大臣の認定を受けたものをいいます。

さらに、そのうち特に高度な審査能力と第三者性を持つものを「特定認定再生医療等委員会」と呼びます。

認定の有効期間は3年。継続するには、満了日の90日前から60日前までの間に更新の申請が必要です。

現在は「e-再生医療」というオンライン手続サイトで各種申請が行われています。

化粧品は、この法律の外にあります

ここまで読んでいただければ分かるとおり、再生医療は「医療行為」です。医療機関が、国が認定した委員会の審査を経て、計画を届け出て行うものです。

一方、ヒト幹細胞順化培養液を配合した化粧品は、薬機法上の「化粧品」です。

名前が似ているため混同されがちですが、整理するとこうなります。

再生医療 幹細胞培養液配合の化粧品
根拠法 再生医療等安全性確保法 薬機法
行う主体 医療機関 化粧品会社
手続き 提供計画の提出・委員会審査 製造販売届出・全成分表示
使うもの 細胞そのものを加工・投与 細胞は入っていない。培養したあとの液を使う

「順化培養液」という言葉

全成分表示にあるのは「ヒト臍帯血細胞順化培養液」などの名前です。

これは、細胞を培養したあとの液体を指します。細胞そのものではありません。

だから化粧品に配合できますし、だからこそ再生医療のような効果を謳うことはできません。

なぜこの記事を書くのか

売る側としては、境界をあいまいにしておいたほうが都合がいいのかもしれません。

でも、医療と化粧品を混ぜて語ることは、薬機法上も問題ですし、何より買う方に失礼です。

ヒト幹細胞培養液は、化粧品の成分として見れば、十分に興味深いものです。それを医療の言葉で飾る必要はありません。

参考:厚生労働省「再生医療等の安全性の確保等に関する法律について」「認定再生医療等委員会について」「再生医療等提供計画の提出等について(概要)」、厚生労働省「e-再生医療」、PMDA「再生医療等の安全性の確保等に関する法律の概要」
※本記事は制度の解説であり、疾病の診断・治療・予防を目的としたものではありません。当店が取り扱うのは化粧品であり、再生医療の提供を行うものではありません。

——Value Village編集部