
【VILLAGE通信 vol.13】和紙で、全国で初めて
鳥取県
島根から隣の県へ。今回は、紙の話です。
全国の和紙で、一番最初
因州和紙は、昭和50年に、全国の和紙のなかで初めて国の伝統的工芸品に指定されました。
和紙の産地は全国にあります。美濃も、越前も、土佐も。そのなかで、最初に名前を呼ばれたのが鳥取だった。
歴史は約1200年。県内では鳥取市青谷町と佐治町でつくられています。
なぜ、一番になったのか
鳥取県の説明に、答えが書いてあります。
画仙紙などの書道半紙、工芸紙、染色紙の開発と生産によって、他の産地を圧倒した——と。
重要なのは、「開発」という言葉です。
古いものをそのまま守って一番になったのではありません。書道家が何を求めているかを見て、新しい紙をつくり続けた。その結果として、多くの愛好家や書道家に愛用されています。
伝統を守ることと、新しいものをつくることは、対立しない。むしろ後者をやめた産地から消えていきます。
あぶらとり紙という、小さな答え
鳥取県の特産品一覧に、「因州和紙あぶらとり紙」があります。
これを見つけたとき、なるほどと思いました。
書道用の紙をつくってきた技術が、化粧ポーチのなかに入っている。繊維をどう絡ませるか、どの厚さにするか、どうすれば適度に吸うか。紙すきの知見が、そのまま使える。
1200年の技術が、今日のテカリを押さえている。化粧品を扱う者として、これはちょっとした発見でした。
弓浜絣と、作る場所
鳥取にはもうひとつ、国指定の弓浜絣(ゆみはまがすり)があります。
また、佐治には「因州和紙伝承工房かみんぐさじ」があり、紙すきを体験できます。
大分には竹工芸の訓練センターがあり、鳥取には紙すきの工房がある。産地を残している県には、必ず「入口」が用意されています。
次号は、中国地方を抜けて四国へ。
参考:鳥取県庁「因州和紙」「弓浜絣」「とっとりの手仕事」「因州和紙あぶらとり紙」、鳥取市「因州和紙伝承工房かみんぐさじ」、鳥取県公式観光サイト
——Value Village編集部




