
【VILLAGE通信 vol.5】日本の畳は、ここから始まる
熊本県
長崎から東へ。今回の村には、日本人なら誰もが知っているのに、産地を知らないものがあります。
国産い草の80%が、ひとつの市から
熊本県のい草生産量は全国1位。さらに、八代市だけで国産い草作付面積の80%を占めています。
畳の上に座ったときに立ちのぼるあの香り。多くの日本人が“安らぐ”と感じるあの香りの、そのほとんどがこの地で育っています。
それなのに、畳を買うときに「八代産ですか」と尋ねる人はほとんどいません。日本一なのに、名前が知られていない。この連載で何度も出会うことになる光景です。
四つの、国が認めた手仕事
熊本県には国指定の伝統的工芸品が4件あります。
小代焼・天草陶磁器・肥後象がんの3件が平成15年3月に、山鹿灯籠が平成25年12月に、それぞれ指定を受けました。
肥後象がんは、鉄地に金や銀を象嵌して文様を描く金工。もともとは銃身や刀の鍔を飾る技でした。武具のための技術が、平和な時代に装飾の工芸へと姿を変えたのです。
山鹿灯籠はさらに異色です。金具も木も一切使わず、和紙とのりだけで神社や城を組み上げます。中は空洞。手に取ると、重さがないことに驚かされます。
天下無双と記された土
天草陶石は、天草陶磁器の原料であると同時に、今も全国の窯へ送られています。
つまり、これまでの回で見てきた有田も波佐見も、その一部は熊本の土でできている。産地の名の下には、名前の出ない支え手がいます。
支え手にも、名前を
日本一であること、原料を支えていること。どちらも、語らなければ伝わりません。
語る役目を、私たちがもらいます。
次号は、湧出量日本一の国・大分へ。
参考:熊本県庁「熊本県伝統的工芸品の指定について」、熊本県公式観光サイト「もっと、もーっと!くまもっと。」
——Value Village編集部




