
【VILLAGE通信 vol.6】源泉5,094、湧出量日本一の国
大分県
熊本から北東へ。今回は、数字で語れる村です。
5,094と、293,610
大分県の公式データによれば、2025年3月31日現在で、源泉数は5,094、湧出量は毎分293,610リットル。どちらも全国1位です。温泉のある市町村は16を数えます。
毎分29万リットル。一日に換算すれば、学校のプールを何百杯も満たせる量が、今この瞬間も地下から湧き続けています。
湯治客の籠が、国の工芸になった
別府竹細工は、大分県で唯一の国指定伝統的工芸品です。
起源は貴重な工芸ではありません。長期滞在する湯治客が、自炊に使う台所用品をこの地で求めた。その需要が産地をつくったのです。
日常の道具から始まったものが、国が認める工芸になる。これはこの連載で何度も見ることになる形です。波佐見焼も、小石原焼もそうでした。
後継者を、県が育てている
別府市には大分県立竹工芸訓練センターがあり、若い作り手が技を学んでいます。市内の竹細工伝統産業会館では、作品と技法を見ることができます。
「後継者がいない」と言われ続ける伝統工芸のなかで、公的な訓練機関を持つことの意味は小さくありません。学ぶ場があるということは、入ってこいよと手を差し伸べているということです。
日本一を、日本一と伝える
日本一であることを、地元の人ほど控えめに語るものです。「うちは普通ですよ」と。
しかし、伝えなければ存在しないのと同じです。語る役目は、私たちがもらいます。
次号は、日本の竹弓の9割をつくる町・宮崎へ。
参考:大分県庁「温泉データ」「別府竹細工」、別府市「大分県立竹工芸訓練センター」、大分県公式観光サイト
——Value Village編集部
写真:Jean-Pierre Dalbéra/CC BY 2.0(Wikimedia Commons)




