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SPFはどうやって測る?
国際規格ISO 24444と、人を使わない新しい測定法

本文章正文为日语。

日焼け止めのパッケージにある「SPF50」という数字。表示の意味はSPFとPAの記事で紹介しましたが、今回はその数字がどんな試験で測られているのかに焦点を当てます。

基本は人の肌で測る「ISO 24444」

SPFの測定法として世界で広く使われているのが、国際標準化機構(ISO)の規格ISO 24444(現行は2019年版)です。試験の流れはおおむね次のとおりです。

  • ボランティアの背中に、肌1cm²あたり2mgの試料を塗る
  • 塗った部分と塗っていない部分に、太陽光に近い紫外線ランプを段階的に当てる
  • 翌日、肌がうっすら赤くなるのに必要だった紫外線量を比べ、その比からSPFを求める

SPFの数値は「塗っていない肌に比べて、赤くなるまでに何倍の紫外線量が必要だったか」という比率です。試験では1cm²あたり2mgという決まった量をむらなく塗るため、実際の使用で塗る量が少なかったり、汗やタオルで落ちたりすれば、表示どおりの数値は得られません。表示の数字は、あくまで決まった条件で測った値だと考えるのが正確です。

日本では、SPFとPAの表示と測定法は国の規格ではなく、日本化粧品工業会(JCIA)が定める業界の自主基準です。SPFはISO 24444、UVAの指標であるPAはISO 24442に沿って測ります。PAは2013年1月出荷分から「PA++++」が加わり、UVA防御の指標(UVAPF)が16以上のものをPA++++と表示するようになりました。ISO 24442が2022年に改訂された際には、JCIAも同年9月1日付で自主基準を改めています。

2024年12月、2つの新しい規格が登場

人の肌で測る方法は信頼性が高い一方、ボランティアの肌に紫外線を当てて赤くするという倫理面の課題や、試験機関ごとに数値がぶれやすいという課題がありました。そこで2024年12月、ISOから2つの新しい測定法が発行されました。

  • ISO 23675(ダブルプレート法):人を使わず、樹脂の板に試料を塗って光の透過を測る完全な試験管内(in vitro)の方法。乳液・クリームやアルコールベースの液状製品が対象で、パウダーやスティックは対象外。耐水性は測れません。
  • ISO 23698(HDRS法):板の上での測定と、人の肌に弱い光を当てて反射を読む光学測定を組み合わせたハイブリッド法。肌を赤くする必要がなく、SPFに加えてUVAの指標や臨界波長も求められます。

どちらも、従来のISO 24444の結果とよく一致することを確かめたうえで規格化されています。

要点
SPFは現在、ISO 24444に沿ってボランティアの肌で測るのが基本です。2024年12月に、人を使わないISO 23675と、肌を赤くしないISO 23698が発行されました。新しい方法をどの国が、いつ制度に取り入れるかは、それぞれの国・地域の判断です。

なぜ今、測り方が注目されるのか

EUでは2006年の欧州委員会勧告(2006/647/EC)が、人を使う試験の倫理面に触れ、代わりとなる試験法の開発を求めてきました。また、オーストラリアで2025年に市販品のSPF表示が検証され話題になったことも、測定の再現性への関心を高めています(オーストラリアTGAの日焼け止め区分の記事)。新しい規格は、こうした課題への国際的な答えの一つです。

参考:ISO 24444:2019、ISO 24442、ISO 23675:2024、ISO 23698:2024、日本化粧品工業会(SPF・PAの測定法に関する自主基準)、欧州委員会勧告 2006/647/EC

——Value Village編集部