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木の台に置かれたバナナの房

世界のバナナ輸出は2,170万トン
フィリピンが2位に返り咲いた2025年

朝食に、おやつに、スムージーやパンケーキの上に。バナナは世界でもっとも多く貿易される果物のひとつです。国連食糧農業機関(FAO)が2026年9月に公表した「Banana Market Review 2025」によると、2025年は世界のバナナ貿易が大きく伸びた年でした。

世界の輸出は2,170万トン、前年より1割増

FAOによると、2025年の世界のバナナ輸出量は前年比10%増の2,170万トンに達し、過去5年で見られなかった水準まで回復しました。

伸びをけん引したのはコロンビアとフィリピンで、2カ国だけで輸出の増加分のうち約110万トンを担いました。

FAOは先に公表した速報(Preliminary results)の段階では、2025年の輸出を約6%増の約2,080万トンと見込んでいました。年間の集計が進むにつれて数字は上振れし、最終的には1割増という力強い回復になりました。なお、この数字は料理用バナナ(プランテン)を除いた、生食用バナナの輸出量です。

2025年の主なバナナ輸出国(FAO)
1位 エクアドル:650万トン(世界の約3割)
2位 フィリピン:約300万トン(前年比約3割増)
3位 コロンビア:260万トン
グアテマラ:230万トン
コスタリカ:220万トン
世界全体:2,170万トン(前年比10%増)

フィリピンが2位に戻った理由

フィリピンは2025年、輸出を前年の約233万トンから約300万トンへ大きく伸ばし、2022年以来の世界2位に返り咲きました。FAOは、天候に恵まれたことと、近年の病害による落ち込みからの回復を理由に挙げています。

ここでいう病害とは、バナナの根から入り込んで木を枯らす「新パナマ病(Fusarium Wilt TR4)」です。FAOは以前からこの病気を世界のバナナ産業の大きなリスクとして取り上げてきました。一度広がった畑では同じ品種を植え直すことが難しく、産地は病気に強い品種への切り替えや、畑の衛生管理に取り組んでいます。

フィリピンは日本との結びつきが強い産地で、日本のスーパーで見かけるバナナの多くは同国産です。2位への返り咲きは、日本の食卓にとっても身近なニュースといえます。

エクアドルは世界の3割、中南米はまちまち

首位のエクアドルは650万トンを輸出し、世界の約3割を占めました。FAOの速報段階の分析では、中米の産地が伸び悩む一方、南米とアジアの産地が大きく伸びたとされ、地域による差がはっきりした年でもあります。

バナナは赤道に近い限られた地域で育ち、多くの国はそれを輸入に頼っています。輸出用のバナナは緑色のうちに収穫され、温度を管理した船で運ばれ、消費国で追熟されてから店に並びます。産地の天候、病害、そして海上輸送のコストが、そのまま世界の店頭価格に響く果物です。

身近な一本の向こう側

手ごろで一年中買えるバナナは、日本の食卓ではあまりに身近です。けれどもその一本の値段には、何千キロも離れた畑の天候や病害、海を越える輸送の事情が折り込まれています。輸出が1割伸びた2025年の数字は、その長い道のりが立て直された証でもあります。

果物の世界の動きは、かぼちゃの輸入や世界のオリーブオイルの記事でも紹介しています。

参考:国連食糧農業機関(FAO)「Banana Market Review 2025」(2026年9月)、同「Banana Market Review: Preliminary results 2025」

——Value Village編集部