
【VILLAGE通信 vol.7】日本の竹弓の9割を、この町が
宮崎県
大分から南へ。今回は、ある一つの道具の、圧倒的な産地の話です。
日本の竹弓の、約90%
宮崎県都城市。この町でつくられる都城大弓は、全国の竹弓の約90%を生産しています。生産量は日本一。
弓道をやる人が手にする竹の弓。そのほぼすべてが、この地から出ています。
200~300工程、すべて手作業
製法が確立したのは江戸時代初期。工程数は200から300に及び、そのほとんどが手作業です。
さらに、一人前の弓師になるには10年以上を要します。
竹とハゼを合わせ、膠で接ぎ、四季を通して伸び縮みする素材を見定めながら形を整えていく。機械では代替できない判断が、工程のたびに入ります。
国の伝統的工芸品に指定されたのは1994年です。
県をまたいで、ひとつの産地
もうひとつの国指定工芸が本場大島紬です。都城地域でつくられるものが、鹿児島県の産地とともに、昭和50年2月に国の指定を受けています。
図案、締め、染め、織り——工程のすべてが、機械を一切使わず手で行われます。
県境で区切られていないことが、この工芸の本質を表しています。行政の線と、技の線は別ものなのです。
38と、2
宮崎県には、県指定の伝統的工芸品が38品目、国指定が2品目あります。
国の指定を受けるには、一定以上の産地規模が必要です。つまり、38のなかには、技は高いのに作る人が少ない、という理由で国の名簿に載らないものが含まれています。
佐賀の回でも同じことを書きました。この連載で探しているのは、こういうところです。
10年をかけた人の仕事を、どう伝えるか
一人前になるのに10年。その人が、売り方の勉強にさらに10年を使うべきでしょうか。
作る人は作ることに。伝える役目は、私たちが。
次号は、同じ大島紬をつくるもうひとつの産地・鹿児島へ。
参考:宮崎県庁「伝統的工芸品」「宮崎県の伝統的工芸品」、都城市「国の伝統的工芸品『都城大弓』」
——Value Village編集部
写真:Kyu3a/CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)




