VILLAGE通信 vol.1 北海道
二風谷イタと二風谷アットゥㇱ、北の最初の一歩
47都道府県をひとつずつ訪ねる「VILLAGE通信」。最初の一歩は、北海道から始めます。
北海道で初めて国の伝統的工芸品に指定されたものが何か、ご存じでしょうか。答えは、日高地方・平取町の二風谷(にぶたに)に伝わる「二風谷イタ」と「二風谷アットゥㇱ」です。経済産業省北海道経済産業局によれば、地元の二風谷民芸組合からの申請を受け、2013年(平成25年)3月8日に指定されました。北海道の工芸としては、これが最初の指定でした。
沙流川が育てた、ふたつの手仕事
どちらも沙流川(さるがわ)流域に古くから伝わるものです。
- 二風谷イタ──浅く平たい木の盆。うずまきをかたどった「モレウノカ」などのアイヌ文様と、ウロコ彫りと呼ばれる「ラムラムノカ」が彫られます。
- 二風谷アットゥㇱ──オヒョウなどの樹皮の内皮から糸をつくり、機で織った反物。水に強く通気性がよく、天然繊維としては稀なほど丈夫だと説明されています。
木を彫る手と、木の皮を織る手。ひとつの川の流域に、まったく性格の違うふたつの技が並んで残ったことになります。
「指定」が意味すること
伝統的工芸品の指定は、名誉の称号ではありません。原材料の確保、技術の継承、産地としての体制──そうした条件を満たしていることの確認でもあります。実際、北海道はアットゥㇱの原材料であるオヒョウの確保について、道有林との連携を進めていることを公表しています。つくり手だけでは、森の資源は守れないからです。
工芸品が残るというのは、技が残ることであると同時に、その技を支える森や川が残るということでもあります。二風谷のふたつの指定は、そのことを静かに教えてくれます。
次回は青森県、津軽塗を訪ねます。北海道そのものの見どころは47都道府県ガイドの北海道編からどうぞ。
参考:経済産業省北海道経済産業局、北海道、平取町立二風谷アイヌ文化博物館
——Value Village編集部