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生駒市高山で茶筌の材料の竹を天日に干す「竹の寒干し」

VILLAGE通信 vol.29 奈良県
高山茶筌、一本の竹から生まれる抹茶の道具

近畿編の6回目は奈良県です。奈良県では奈良筆、奈良墨、そして今回訪ねる「高山茶筌(たかやまちゃせん)」の3つが国の伝統的工芸品に指定されています。産地は県の北西部、大阪府との境に近い生駒市高山町です。表紙の写真は、生駒市高山の田んぼで、茶筌の材料になる竹を天日に干す「竹の寒干し」の風景。冬の終わりから春先にかけて、高山の里で見られる光景です。

村田珠光の依頼から始まった

生駒市によると、茶筅は室町時代の中ごろ、高山城主の一族で連歌師としても知られた鷹山宗砌(たかやまそうぜい)が、親友で称名寺の住職だった村田珠光(むらたじゅこう)に頼まれて作ったのが始まりといわれます。珠光は、のちに千利休へとつながる「わび茶」の祖とされる人物です。宗砌の茶筅は後土御門天皇に献上されたと伝わり、その製法は長く「一子相伝」で受け継がれてきました。

竹を2〜3年寝かせてから

茶筅づくりは、材料の竹を選ぶところから始まります。毎年11月から12月に竹やぶから竹を切り出し、干して油を抜いたあと、2〜3年寝かせてからようやく加工に入ります。一本の竹の先を細かく割り、薄く削り、内側と外側に穂を分けて糸で編み上げる――そのすべてを、茶筅師が手作業で仕上げます。

要点
・室町時代中期、鷹山宗砌が村田珠光の依頼で作ったのが始まりと伝わる
・竹は11〜12月に切り出し、油抜きをして2〜3年寝かせてから使う
・生駒市高山町は国内の茶筅生産の9割以上を占める
・奈良県では奈良筆・奈良墨とともに国の伝統的工芸品

世界の抹茶ブームを支える

生駒市高山町は、国内で作られる茶筅の9割以上を占めるといわれる産地です。1970年代には50軒近くあった茶筅の工房は、2024年の時点で16軒まで減りました。いま、海外で抹茶の人気が高まり、自宅で抹茶を点てる人が増えるなか、手作りの茶筅は世界のお茶好きからも注目を集めています。

前回は兵庫県の丹波立杭焼でした。VILLAGE通信 vol.28 兵庫県はこちら。抹茶の海外での広がりは抹茶の輸出の記事で、奈良県の見どころは47都道府県ガイドの奈良県編からどうぞ。次回は和歌山県を訪ねます。

参考:生駒市(高山茶筌)、奈良県(奈良県の伝統的工芸品)、国土交通省、経済産業省「伝統的工芸品」指定品目一覧

——Value Village編集部

写真:Degueulasse/CC BY 3.0(Wikimedia Commons)