VILLAGE通信 vol.13 東京都
江戸切子、天保5年から続くガラスの彫刻
関東編の6回目は東京都です。東京には江戸時代からの職人の技が数多く残り、国の伝統的工芸品も複数指定されています。今回はその中から、ガラスに細かな文様を刻む「江戸切子」を訪ねます。
天保5年、ビードロ屋から
江戸切子の始まりは、天保5年(1834年)とされます。江戸大伝馬町のビードロ屋、加賀屋久兵衛が、金剛砂を使ってガラスの表面に彫刻を施したのが最初と伝えられています。明治期には、政府の招きで来日した英国人技術者から西洋のカットグラスの技法が伝えられ、現在につながる技術の基礎が築かれました。
都と国の、二つの指定
江戸切子は1985年(昭和60年)に東京都の伝統工芸品に、2002年(平成14年)には経済産業大臣から国の伝統的工芸品に指定されました。産地の組合は、代表的な文様「魚子(ななこ)」の語呂合わせから、7月5日を「江戸切子の日」と定めています。
要点
・天保5年(1834年)、加賀屋久兵衛がガラスに彫刻を施したのが始まりとされる
・明治期に西洋のカットグラスの技法が加わる
・1985年に東京都、2002年に国の伝統的工芸品に指定
・7月5日は「江戸切子の日」
文様に込められたもの
江戸切子には、魚の卵のような細かな格子を刻む「魚子」、菊の花を連ねた「菊繋ぎ」、竹籠の編み目を表す「籠目」、植物の葉をかたどった「麻の葉」など、暮らしの身近なものから生まれた文様が伝わります。透明なガラスに色ガラスを重ねた「色被せ(いろきせ)」に文様を刻むと、削った部分だけが透明になり、色と光の対比が生まれます。
前回は千葉県の房州うちわを訪ねました。VILLAGE通信 vol.12 千葉県はこちら。東京都の見どころは47都道府県ガイドの東京都編からどうぞ。次回は神奈川県を訪ねます。
参考:東京都、江戸切子協同組合、伝統的工芸品産業振興協会
——Value Village編集部