五つの系統が、混ざらずに残った|Value Village

VILLAGE通信 vol.4 宮城県
宮城伝統こけし、五つの系統が混ざらなかった理由

こけしには「系統」があります。産地ごとに顔つきも胴の描き方も違い、見る人が見れば、どこのこけしかがわかる。宮城県には、その系統が五つあります。

五つの名前

  • 鳴子系/作並系/遠刨田系/弥治郎系/胘折系

宮城県および東北経済産業局の資料によれば、この五系統は1981年(昭和56年)6月22日、通商産業省告示第293号によって「宮城伝統こけし」としてまとめて国の伝統的工芸品に指定されました。五つを別々にではなく、ひとつの名前の下に束ねて指定した。そこが少し変わっています。

木が、表情を決める

使われる材はミズキ、イタヤカエデ、ウリハダカエデ。輻輅(ろくろ)で挽いた木地に、直接絵付けをします。塗り重ねて隠すのではなく、木肌をそのまま見せる。だから木の選び方が、そのまま仕上がりの表情になります。

五つの系統が混ざらずに残ったのは、それぞれの土地に湯があり、湯治客がいて、その場で売れたからだと言われます。工芸は、売れる場所があるところに残る。素朴な話ですが、たぶんいちばん本質的な話です。

前回は岩手県の南部鉄器でした。次回は秋田県、曲げわっぱを訪ねます。

参考:宮城県、東北経済産業局

——Value Village編集部