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うちわの骨になる竹

【VILLAGE通信 vol.37】三大うちわの、三つ目
千葉県

千葉県の国指定は房州うちわと千葉工匠具の2品目です。

この連載で、うちわは三つ目になりました。

三大うちわが、これで揃いました

丸亀うちわ(香川・vol.14)、京うちわ(京都・vol.22)、そして房州うちわ(千葉)。この三つを日本三大うちわと呼びます。

三つとも、構造が違います。

  • 丸亀は、一本の竹から柄と骨をつくる。平たい柄(平柄)もある。年間8,300万本、全国の9割
  • 京は、別々につくった面と柄をあとから合体する「差し柄」
  • 房州は、一本の丸い竹をそのまま柄にし、先を細く割いて骨にする「丸柄」

房州のやり方だと、柄と骨がもとからひとつです。接ぐところがないので、外れません。

割いた骨は、糸で編んで広げていきます。この細かい骨が並んだ部分の美しさが、房州うちわの代名詞です。

同じ「うちわ」という名前でも、産地が違えばつくり方が別物です。この連載で何度も出てきた話ですが、うちわはそれがもっともはっきりしています。

なぜ房総だったのか

房総半島は、うちわに向く細い竹(女竹など)の産地でした。

もともとは竹の産地として、江戸へ材料を送る側でした。それが大正期に、現地で完成品までつくる形へ変わったとされます。

材料を出す側から、仕上げる側へ。これは産地にとって大きな転換です。

山梨の水晶(vol.29)は逆に、原石がなくなっても加工技術だけが残りました。産地は、素材と技術のどちらかを手放しても生き残れます。

2017年に加わった、刃物

千葉工匠具は、比較的新しく国指定を受けた工芸です。

包丁、鍬、鋏、鎌——職人が使う道具(工匠具)そのものです。

この連載では、刃物が何度も出てきました。大阪の堺はプロの和包丁(vol.23)、福井の越前は鎌(vol.30)、高知は山林用(vol.17)、新潟の三条は日用刃物(vol.33)。

そして千葉は、「ものをつくる人の道具」。使う相手がプロの職人なので、注文に応じて形を変えることが多いとされます。

よくある質問

Q. 房州うちわはどこでつくられていますか。
A. 南房総市を中心とする地域です。工程は20を超え、竹の切り出しから骨割り、編み、紙貼りまで手作業で行われます。

次号は茨城へ。ユネスコに載った紬の話です。

参考:千葉県、南房総市、館山市、伝統的工芸品産業振興協会

——Value Village編集部